ポルシェの維持費は年いくら?986ボクスターのリアルな年間コストを一級整備士が紹介!
投稿日: 2025年10月8日
|
投稿者: yasui
「ポルシェって維持費が高いんでしょ?」──中古で986ボクスターを検討する人から最も多く聞かれる質問です。確かにポルシェは高級スポーツカーですが、実際の維持費は「知っておけば無理なく楽しめる」レベルに収まります。本記事では、一級整備士として実際に986ボクスターを点検・整備してきた視点から、税金・保険・整備・消耗品などを含むリアルな年間コスト をわかりやすく紹介します。
1. 自動車税・重量税などの税金関係

986ボクスターは1996〜2004年式のため、すべて「重課税」対象。年式が古い分、通常より税金が高めになります。
- 自動車税(2.7L):58,600円
- 自動車税(3.2L S):66,700円
- 重量税(18年以上経過車):2年で37,800円 → 年間18,900円
👉 税金だけで 年間7.7〜8.6万円。これはポルシェに限らず、古い輸入車全体に共通する負担です。
2. 車検・法定点検費用

ディーラーか専門工場かで大きく変わります。
- ポルシェディーラー:25〜40万円(整備パッケージ・純正部品込み)
- 専門工場(独立系):15〜25万円(OEM部品中心でコスト圧縮可能)
年間換算では 8〜20万円。986は構造がシンプルなため、専門工場で適切に整備すれば維持費を大幅に抑えられます。
3. 定期整備・消耗品費用

986ボクスターはミッドシップ特有のメンテナンス性を持ち、消耗品もやや高めです。
- エンジンオイル交換:年1〜2回、約2〜4万円(高品質オイル推奨)
- ブレーキパッド・ローター交換:10〜15万円(走行距離・使用頻度による)
- タイヤ交換:1セット10〜15万円(N規格タイヤ推奨)
- 冷却系トラブル修理(ウォーターポンプ・ラジエーター):10万円〜
平均して 年間10〜20万円 の整備費を見込むのが妥当です。
特に冷却系やオイル漏れなど、古いポルシェ特有のトラブルに備えておくと安心です。
4. 保険料

- 自賠責保険:車検2年で約20,000円 → 年間1万円
- 任意保険
- 30代・ゴールド免許・車両保険なし:年間5〜8万円
- 車両保険あり(一般条件):年間10〜15万円
車両保険をつけるかどうかで差が出ます。初心者や長距離ドライバーは、免責を設定して加入するのがおすすめです。
5. 燃料・駐車場などのランニングコスト
- 燃費:平均7〜9km/L。ハイオク仕様で年間1万km走行なら約18〜20万円。
- 駐車場代:都市部では月2〜3万円=年間24〜36万円。 → 田舎暮らしなら無料または格安ですが、都心では最も大きなコスト要因です。
6. 年間維持費シミュレーション
| 項目 | 範囲(年間) |
|---|---|
| 税金・重量税 | 約8万円 |
| 車検・整備費 | 8〜20万円 |
| 消耗品 | 10〜20万円 |
| 保険 | 7〜15万円 |
| 燃料代 | 18〜20万円 |
| 駐車場代 | 0〜36万円 |
| 合計 | 約40〜90万円/年 |
平均的な使用環境(地方都市・年間5,000〜7,000km走行)なら、年間50〜60万円程度 が現実的な目安です
✅ まとめ
- 986ボクスターの維持費は、年間 40〜90万円 程度
- 税金・燃料・駐車場が固定費、整備費が変動要因
- ディーラーより専門工場を選ぶことでコストを抑えられる
- IMS・RMS対策を済ませた個体を選ぶと安心して長く乗れる
ポルシェの維持費は確かに安くはありませんが、「一級整備士の目線で見ても、986ボクスターは適切な整備さえ行えば堅牢な車」。
そして何より、ハンドルを握った瞬間に感じる「フラット6の鼓動」は、維持費以上の価値があります。